女性の美と健康に『エクオール』
1、大豆が女性のからだによい理由。
昔から、日本人は大豆をよく食してきました。大豆は、女性ホルモンのエストロゲンとよく似た働きの成分を含むため、女性の元気と若々しさを保つのに役立つと言われてきました。「日本人は大豆製品をよく食べるので、女性の更年期が軽い」「欧米人に比べて日本人の骨粗鬆症の発生率が低いのは、大豆製品を良く食べることと関係している」と、英国の医学雑誌に取り上げられたこともあります。
最近、その働きのもとになっているのが「エクオール」という物質であることがわかりました。大豆に含まれるイソフラボンという成分(大豆に含まれるフラボノイドのひとつ。抗酸化力の強い色素成分)がおなかの中で腸内細菌に出会って「エクオール」にかわり、エストロゲンによく似たはたらきをしていたのです。
2、エクオールがつくれない人もいる?
日本や中国など、大豆をよく食べる国々では、エクオールをつくれる人(エクオール産生者)が50%、大豆を食べる習慣のない欧米では20〜30%と言われています。大豆製品やイソフラボンのサプリメントを摂っても、その効き目を実感できない人がいるのは、体内でエクオールをつくれる人と作れない人がいるためだったのです。
◉各国でのエクオール産生者の頻度
- 中国 54.9%
- 台湾 51.3%
- 日本 50.0%
- オーストラリア 31.3%
- 米国 27.6%
- イタリア 27.7%
3、「エクオール」4つの作用
エクオールの作用メカニズムや体内でのはたらきについては、さまざまな研究が行われてきました。特に最近では、更年期症状をやわらげる、骨粗鬆症の予防と改善、皮膚や血管の健康を保つなど、ミドルエイジ女性の健康維持について良い効果が期待されています。
❶エストロゲン様作用(エストロゲンによく似たはたらき)
エストロゲンの減少した体内で、エクオールがエストロゲン受容体(レセプター)に入ることで、エストロゲンに似たはたらきをします。
◆更年期症状、障害をやわらげる
◆メタボリックシンドロームの予防
◆肌への作用→エストロゲンは、肌のコラーゲンを作り、エラスチンをつなぎとめるはたらきをして肌の潤いを保っています。そこで、エストロゲンが激減するミドルエイジからは、肌が乾燥し、シワやたるみなどがでやすくなります。エクオールを採った人では、シワの面積が少なくなる、シワの深さが浅くなるなど、いずれも改善したという結果が出ています。
◆骨粗鬆症の予防と改善
❷抗酸化作用
からだの酸化を防ぎ、シミの改善や美白の作用があります。
❸抗エストロゲン作用
エストロゲンのはたらきを抑える。
❹抗アンドロゲン作用
男性ホルモンのアンドロゲンのはたらきを抑える。
4、更年期を快適に過ごすために
ミドルエイジの女性では、閉経前後(40代後半〜50代前半)に卵巣機能が低下・停止し、エストロゲンが激減してさまざまな不調が起こりやすくなります。これが更年期症状・障害です。
エクオールを食品化したものを使った実証研究では、ホットフラッシュや肩こりを中心に更年期症状を改善するという結果が出ています。
5、女性の美と健康のために
人間は細菌と共に何百万年という進化の歴史を過ごしてきました。その中で、共に生きる腸内細菌を選択して、腸内細菌と共に助け合う仕組みを発達させてきたのです。ところが、現代の日本人は、食の欧米化で腸内環境も変化してきています。
日本人のからだになじんだ大豆に由来し、幅広い年代のひとの美と健康に影響を与えている「エクオール」をつくる腸内細菌は主に15種類が報告されており、「ラクトコッカス20-92」という乳酸菌も確認されています。
その腸内細菌の餌となるのが、食物繊維と言われています。食物繊維の摂取量の基準は女性で1日に18g以上。心筋梗塞による死亡率の低下が観察された研究では1日24g以上と言われています。実際には、その半分も摂取できていないといわれています。
美容と健康のために、食物繊維をしっかり摂って、腸内環境を整えることが大切です。大豆にも食物繊維が豊富に含まれています。シワ、たるみ、更年期障害が気になる方は大豆の摂取をお勧めします。
さらに、腸を外側から支えているのが骨盤です。骨盤を整えて、正しい姿勢をキープすることで、腸のはたらきも活性化されます。骨盤はからだの土台で、すべての基本です。毎日コツコツと整えるスキルで、骨盤もしっかり整えていきましょう。